記憶のスイッチ

「いったい、樽の中で何が起きているんだ!?」

初めてお味噌造りをして、ふと思った。

私は材料を潰して、混ぜて、樽に詰めただけ。
半年後、樽の中にはお味噌があった。

「発酵とは何だろう?」

日本人は長い年月をかけて
発酵食品をたくさん生み出してきた。

発酵食品づくりで、いつも変わらなかったのは、
「人間が場を整え、あとは菌にお任せ。」

それに気づいた時、
‘記憶のスイッチ’が押された気がした。

きっと遺伝子にインプットされていた
‘発酵食品を手作りする’モードが起動されたのだ。
現代風に言うならば、、、。

発酵食品を手作りすると
そこに働く、‘見えない生き物たち’の事を思う。
彼らが作ったものは、私たちの身体の役に立つ。

‘自分は自然との繋がりで生かされている’

忙しない日常で、忘れがちな謙虚な心
これを思い出させてくれるのが、発酵食品だと思う。

作ってみると簡単だけど、不思議でいっぱい。

皆んなにもこの驚きを伝えたい。
皆のスイッチも押したい。
でもどうやって?

それもきっと、私は場を整えるだけ。

‘ みそのわ ‘ プロジェクトはかたつむりのスピードで、じっくりじっくり進んで行きます。